Pragmatic of Japanese

１．２　彭飛氏の定義



彭飛氏（2005）は、配慮表現について次のように述べている。


「配慮表現」とは、人間が言語でコミュニケーション活動をなす場合に、「緩和
表現｣、「受益表現」、「プラス価値付加表現」、「心地良い気分表現」（気分を
よくさせる表現）などの表現を用いて、相手の心が傷つかないように、また自分が
相手に好ましい印象を与えるように配慮する対人関係の表現を指すものである。「
配慮表現」は「気配り表現」と言い換えてもよい。
「相手の心が傷つかない」とは、話者の意図を伝達する場合に、より一層思いや
りを込めて、相手に不愉快な思いを与えないように、気を悪くするような印象を与
えないように、相手に誤解されないように、礼節を失わないように、などと意図す
るものである。相手の尊厳、名誉、自尊心、面子、利益，感情、立場をなるべく守
るように、損なわないように、などの心配りも含まれる。
「相手に好ましい印象を与える」とは、相手を心地よい気分にさせるように、相
手の心地よさの状態を保つことができるように、自分が相手に誤解されないように
、自分が相手にとって喜ばしい存在であるようにと、積極的に相手に快・喜の感情
をもたらすこと、などを意図するものである。


２．彭飛氏の配慮表現の領域


彭飛氏が述べる「緩和表現｣、「受益表現」、「プラス価値付加表現」、「心地良い
気分表現」（気分をよくさせる表現）については、言語表現の技術であり、手段であ
ると考えられる。そうして、「配慮表現」研究の最も重要な、主たる四領域であると
述べていることが分かる。次に挙げるのは、彭飛氏（2005）が取り上げた四領域の指
摘をまとめたものである。


２．１　「緩和表現」

1. Kanwa Hyougen 'Ungkapan yang menghaluskan/melembutkan penyampaian'


「緩和表現」とは、相手に負担をかけると言う行為をする場合、あるいは相手に心
理的に負担をかけるかもしれないと想像する場合、言葉遣いの工夫によって緩衝剤(
中和剤)として｢和らげ｣の実現を図ることを指す。
「緩和表現」の概念には三つカテゴリーがある。それは「場面的添加」、「場面的省
略」、「表現形式や用語の変便」である。次に示すものはこれらの三つの用法を具体
例にまとめたものである。

Ａ．　場面的添加
　「場面的添加」には、語や助詞などの添加と文(節)の添加という二つの用法がある
。
語や助詞などの添加
　語や助詞などのでは16の用法がある。
1. 文の前に付ける添加（ちょっと、一応、とりあえず、よく、もう一つ、あまり）
a.「ちょっとわからない」
b.「これはあまりよくないことだ」
c.「一応、 ノ ということにしておいて」
2.
文の前に付ける添加　（一応、なんとか、どうにか、まあまあ、どちらかといえば、
とりあえず、まずは、ひとまず、たまたま、比較的になど）
a.「一応しておいた」
b.「なんとか、やってみます」
c.「まあまあ、うまくいっています」
3. 動詞文に付ける添加　（ぼつぼつ、そろそろ）
a.「そろそろ、別のところに変わったほうが、とほのめかされた」
b.「ぼつぼつ(ぼちぼち)行きましょ」
4. 「カ」の添加　（ご無理かと思います）
a.「ご無理かと思います」
5. 「名詞＋ホウ」の「ホウ」
a.「奈良のほうへ行く」
ここでの「ほう」は、「直示軽減」の用法であり、はっきりとした方向や方面を指す
ことを和らげる場合の用法、相手(客)の所有物、相手(お客)に提示するものを直示す
ることを和らげる場合の用法がある。
6. 「ホド」「ゴロ」「グライ」の用法（添加）
a.「二つほどください」
b.「指導のほどよろしく」
c.「十二時ごろ（に）お目にかかりましょう」
これらは「直示軽減」の用法である。「ごろ」「ほど」の他、「ぐらい」も同様に
用いられる場合がある。
7. 「カラ」の添加
a.「千円からお預かりします」
これは「千円からをいただくために、お預かりします」の意味である。「千円を～
」「千円から～」に置き換えたと述べている。
8. 「デ」の添加
a.「気がつきませんで」
「で」の添加によって文は言い切らない形、言いさした形になる。古くから朧化表現
である。
9. 「ガ」「ケレドモ・ケド」の添加
a.それはあり得ないことですが」
直接的な表現に「けど」「が」を添加すれば少し物柔らかな表現になる。
10. 「デモ」
a.「お茶でも飲みましょうか」
この例は「直示軽減」の場合だけに限らない。「他の選択肢を残し、一つに限定せず
」を示す場合もある。
a.「どこか具合でも悪いの」
11. 「タリ」「ナリ」「ナド」「ヤラ」
a.「電話でなり知らせてください」
「何らかの語を添加することによって、一つに限定しない」と言う形式で表現するこ
とが多い。
12. 「ハイ」「アア」「」アノ」「エエト」
a.「はい、以上です」
b.「ああ、どうも」
c.「あの、李と申しますが」
この語の添加によって唐突さがなくなり、場面によりふさわしい自然な文になる。


13. 文末の「ネ」
a.「そうですね」
「ネ」の添加によって、相手との同調の意を強める働きがある。「あの人はちょっと
ネエ」の「ネエ」は否定を暗示的に強調するだけでなく、相手との同調を求める場合
も考えられる。
14. 「（ト）オモイマス」
a.「だめだと思います」
15. 「トカ」
a.「成績とか、あまり気にしない」
文（節）の添加
1. 　減量（軽減）式
a.「自慢じゃないけど、このケーキは子の町で一番だね」
自分自身のことについて述べる場合は、軽減効果野のある句や文の添加によって、以
下に述べる事柄の内容を割り引く働きをしている。相手のことについて述べる場合、
「いやみに聞こえるかもしれないが」など、相手の誤解や曲解を［予防的に、未然に
］防ぐか、或いは取り除くために、誤解・曲解されそうな直言に表現を前件に添加す
る手法である。
　前触れ的な直様式
a.「突然ですが」
相手に心理的な準備を促す表現になる。
　仮定式
意見や意思の表出を聞き手がきつく感じないように、自分の誤りの可能性もあるとい
う句（文）を主文の前に挿入して柔らかさを持たせる。
a.「私の記憶に誤りがなかったら」
b.「ご迷惑ではなかったら」
　謙譲式
a.「お粗末なものですが」
b.「つまらないものですが」
これらは自分自身、または自己に関わるものを卑める謙遜の姿勢を示すもので、その
あとに述べる事柄を和らげる機能を持つ。
　理由及び状況説明式
a.「ちょっと都合が悪いのですが」
などの「理由説明」を前件に置く（添加）ことで後件の主文が強く驚かないよう配
慮する。
　詫び式
a.「朝早くご迷惑をおかけしますが」
唐突さが感じられなくなる。
　話題転換式
a.「話が全然違いますが」
これらの添加も唐突さを感じさせないようにするためである。


Ｂ．場面的省略
「場面的省略」とは、場面的添加と同様に、人や場面に応じて「省略する」ことによ
って、表現したい内容・文の意味を和らげたり暗示的に強調したりすることを指す。

主語の省略
1. 語の省略　（一人称、二人称の省略など）
主語省略が起こるケースとして次の二つがある。第一は「既知と思うもの」であり、
第二は「人間作為によるよりも、自然に成り行きがする」ということを述べる文であ
る。
助詞の省略
助詞「ハ」「ガ」「ヲ」の省略である。「君どう思う？」「新聞読む？」「特に否定
する場合、相手に依頼する場合、相手に尋ねる場合には、このような省略現象は多く
見られる。
述語などの省略　（文「節」の省略）
「～デハ」の三用法
a.「このままでは～」
b.「ほかにも似た手口の被害者がいるのでは、と見ている」
　否定を示す語や否定的な意味を示す表現の省略。
a.「それがなかなか、どうもうまくいかないんだ」
　理由説明文、条件文
a.「これからお客さんがみえるので」のような理由を説明する文を使う。
b.「私でよろしければ」のような条件文を提示する。
　「ガ」（けれども、けど）の用法
相手に断るときに用いる「お手伝いできるといいんですが」・「お役に立ちたいのは
やまやまですが」のように「できない」「だめである」と言う直接な表現を用いず、
後続の文を省略することが多い。
　「テ」の用法
a.「これを使ってください」を省略して、
b.「これを使って」
と表現する場合もある。特に親しい間柄でよく用いられるので、「親愛表現」でもあ
る。

Ｃ．　表現形式や用語の変便
文末変更
　「ダロウ」（デショウ）用法
a.「いかがですか」
　　　「いかがでしょうか」など「デショウカ」の変更使用は柔らかく相手に確認
を要求する用法である。
　「ヨウダ」「ラシイ」「ソウダ」「ミタイダ」の連の用法
a.「鉄の棒のようなもの」
以上のような例は、未確認の情報として使われる。断言回避の好例である。「触覚」
の印象に基づく場合。「視覚」「味覚」の印象に基づく場合もある。「この節は正し
いようだ」
　「コトニナル」「～ホウガヨイ」用法
a.「明日は雨が降ることになる」
「ことになる」という形を用いれば、主観性を表面に出さないで客観的な表現にな
る。
　文末の種々相
a.「本当にそうなのかと考えさせられる部分もある」
これは断定せずに幅（ゆとり）を持たせて客観的事態を表す用法である。
　動詞における「自発」表現の使用と「緩和」
a.「～であろうかと思われなくもないが、どうだろうか」
これは客観的な事実によって自然にそう思われる、という主観性のない、客観性の高
い表現を取る。
表現の変更　（言い換え）
1. 　否定的な表現の変更
a.「よくないと思う」ことを「どうかと思う」と表現する。
　他人のせいにしない表現
a.「音が小さくて聞こえない」というより「恐れ入りますが、でんわが遠いようです
が」
　他人の言葉を引用して間接に伝える。
a.「これはあまり実用性がないといわれています」
これは、間接的な表現である。
　「トイウ」「トイウコトデ」用法
伝聞・引用・及び因果関係を表す用法があり、客観的な表現になる。
　控え目な表現
a.「商売がうまくいっている」ことを示す場合、
a.「結構もうかっている」「けっこう調子がいい」
というような表現を使わない。その代わりに、「ええ、まあまあ」など、自分自身の
ことについて控え目な表現を用いる。
　相手への欠点の指摘
a.「これは君の欠点だ」の表現なら直接的な表現になるが、「ここを直すともっと高
く評
価される」のような表現を取ることで、相手の抵抗を減らす効果がある。
　「困ル」の用法
a.「ここでおタバコは困ります」
　「自他動詞」用法
表現の変更の用法では九つあるが、その九つの中で自他動詞の用法がある。他動詞文
か、あるいは、自動詞文かを選択して用いる問題は「客観的な表現」と関係する。
a.「部屋を散らかして、すみません。（他動詞文）
b.「部屋が散らかっていて、すみません。（自動詞文）
自動詞文を使用するよりも他動詞文を使用することは、相手に申し訳ない気持ちが強
く表れ、相手に好ましい印象を与える。
　誤解を与えやすい表現の変更
a.「電車が曲がりますので、ご注意ください」の場合は、
b.「電車がつぶれて曲がってしまう」
誤解して驚いたという乗客からの声が多くあった。現在は、
a.「電車がカーブのところを通過いたしますので、ご注意ください」
という表現に変更されている。

Ｄ．語の変更　（言い換え）
以下の二つに分類できる。「語の変更」によって、「より柔らかい表現」になる場合
と、「よりいいイメージを付与する」場合である。
カナ表記、和語の使用
漢字で書くよりも「カナ」で書く傾向が見られる。
a.「民望」を「ミンボー」。
好ましくない内容をぼかす場合、例えば
a.「ワイロ裁判」「半身マヒ」
というように使われる。もう一つは「漢語」よりも「和語」の方を用いる傾向がある
。
a.「他人」よりも「ほかの人」・「関係している」よりも「かかわっている」
表現の方が緩和される。
　マイナス評価のイメージの希薄化
例えば「死ぬ」は言い換え表現が多い。
a.「先立つ」「見送る」「死亡する」などがある。
　直示回避の代用語
a.「生理」のことを「あれ」で表現し、対象をぼかす。「あれが来ていない」「あれ
がない」などという。
　断定的な表現の回避
「細かいことはわかりません」より、
a.「細かいことについては、こちらではまだ把握しておりません」というような形を
取る。
　幅（ゆとり）を持たせる表現の私用
「一番いい」「最もいい」、「最も」より「一番」のほうがより強い、明確な言い方
である。
　よりやさしい表現の使用
「署名運動」と使ってきたが、近年、「署名活動」の表現もよく使われるようになっ
た。


２．２　「受益表現」


「受益表現」とは、相手から直接的に、あるいは間接的に恩恵・利益を受けたこと、
または、相手から恩恵・利益をこうむったわけではないのに恩恵・利益を受けたよう
な言い方をすることを指すものである。
具体例
1. 「おかげさま」表現
a. Ａ：「お子さんは？」
Ｂ：「おかげさまで、昨年九月、双子ができました」
2. 「お世話になっております」表現
（いろいろとお世話になっている先生の家を訪問したとき、先生の奥さんから）主人
が、いつもお世話になっておりましてどうもありがとうございます。
3. 感謝表現
a.「先日はどうもありがとうございました」
4. 「ヤリモライ動詞文」
a.「彼を来させる」というよりも「彼に来テモラウ」というほうが柔らかく聞こえる
。
5. 「恵まれる」表現
a.「いい先生に恵まれる」
6. 「あずかる」表現
a.「ご紹介にあずかりました田中でございます」
7. 「わざわざ」「いろいろ」「毎度」「いつも」「たいへん」
a.「いろいろと教えてもらいました」
b.「いつもすみません」
c.「大変お世話になりました」
など受益を示す添加語である。


２．３　「プラス価値付加表現」


「プラス価値付加表現」とは、よりよいイメージ、よりよい五感を帯びるようにし
て、相手に好感を抱かせる語（表現）を指す。その枠組みは、「新鮮さを持たせる語
・表現」「親しみを持たせる語・表現」「相手を安心させる語・表現」
と述べている。
　次に「プラス価値付表現」の枠組をまとめる。

「新鮮さを持たせる語・表現」
1. 「老人クラブ」の呼び名
「老人クラブ」というより「ゆめクラブ」・「シルバークラブ」・「悠年クラブ」と
いうイメージを一新させる。
2. 「管理人さん」の呼び名
「管理員」は「レジデントマネージャー」、女性には「マイティコアレディ」、「清
掃員」は「クリーンスタッフ」、「管理事務所」は「プロントオフィス」に言い換え
た。
3. 外来語の使用　[カタカナ語]
「職業婦人」は「キャリアウーマン」、「相談員」は「カウンセラー」に言い換えて
新鮮さを与えるだけではなく、「明るい」受け身ではなく、「積極的」などの「プラ
ス評価的」な意味を持つ。
4. 社名変更（ひらがな語、カタカナ語）
「稔る田」は「ミノルタ」になった。
5. 「廃品回収」と「資源回収」
「廃品回収」「資源回収」はリサイクルに言い換える。
「親しみを持たせる語・表現」
1. 学童、児童、子供
2. 役所言葉の行革と「親しみを持たせる表現」
「相手を安心させる語・表現」
1. 新渡日（ニュウカマ－）、外国人市民（住民）
「外国人」という言葉の変わりに「新渡日」が使われるようになった。
2. 分かりやすい語（表現）表現で相手を安心させる例（外来語の翻訳語）
「アメニティ－」といったなじみの薄い外来語は「快適さ」と言い換える。


２．４　「心地よい気分表現」


「心地よい気分表現」[気分をよくさせる表現]とは、相手の心地よさを損なわない
ように、相手をより「心地気分」にさせる表現、緊張（警戒）している相手の心をと
きほぐす表現などを指す。
　　「相手に接近しようとする言語行動」における「賞賛表現」、「祝福表現」、「
同情表現」などに、相手の心情、利益、立場を配慮する直接的な表現が多い。相手と
の心理的な距離を縮めるための表現である。
と述べている。次は「心地よい表現」の分類と具体例をまとめたものである。

　相手の実力、能力、性格、人柄に対する称賛表現（プラス評価表現）
相手の「努力」ぶりを称賛する表現として、「よく勉強していますね」・「たいし
たものですネ」などがある。
「能力」、「実力」、「長所」に関する称賛表現として、「さすが！」・「君の作品
は最高です」などがある。
「これは君にしかできない仕事です」のように相手の存在・力量を肯定し、高く評価
する表現を取れば、相手のプライドをくすぐり、気分よく聞いてくれる。
「いい性格」や「人柄」に関する評価表現として、「本当の親切な方ですね」・「誰
にでも好かれるタイプです」などがある。
　相手の所有物（相手側の人）に対する称賛表現（プラス評価表現）
　「立派なお家ですね」・「この服はよく似合っているわ」・「お若い奥様ですネ」
などの表現がある。
　相手にねぎらいや同情の気持ちを示す表現
　a.「お疲れさま」・「くたびれたでしょう」は直接的に示す表現である。

b.「今日はもうお帰りですか」は「お疲れさま」というように、ねぎらうの気持ちを
間接的に示す表現である。
　喜びの表現
　「チケットがとれてよかったネ」のような使用頻度の高い「よかったですネ」のよ
うな表現は、相手とともに喜び、祝福する意味をも含む心優しい表現である。
　祝福表現、祈願表現
　a.「お誕生日、おめでとう」・「お幸せに」は祝福表現である

b.「ますますのご活動（健闘）を」・「貴社のご繁栄（ご発展）を」は祈願表現であ
る。
　信頼のある関係を示す表現
　「今後ともよろしく」は使用頻度の高い表現である。頼まれる側もこの表現を聞い
て安心感を覚えるのである。
　人間関係に垣根のないことを示す表現
　「家族意識」・「仲間意識」・「身内意識」・「同胞意識」・「同類意識」・「同
窓意識」・「同郷意識」・「連帯意識」を示す表現がこの類である。
a.（知人などを自宅に招きいれる際）「自分の家にいるように気楽にしてください」
「いつか一緒にいっぱい飲もう」などは、親しそうな口調で温かい雰囲気を醸し出す
表現である。
b.「ご遠慮なく、たくさん召し上がってネ」は身内意識が働く。
　挨拶表現
　「お元気ですか」・「暑いですが、体にお気をつけてね」のような挨拶表現は、相
手に声をかける礼儀的な表現であり、相手に好意を示し、相手とのよい関係を確認し
あう表現でもある。
　話し手自身のことを自ら披露することで打ち解けさせる（表現）
　「自己開示」「自己呈示」というのがあり、話し手が先に積極的に自分に関する個
人的な話を披露すれば、相手も打ち明けてくれることが多い。
　二人の共通点、共通の興味の話題で会話を盛り上げる（表現）
　　たとえば、共通の趣味を話題にし、同好の仲という親近感が生まれる。また、共
通の友人の話題（悪口ではなく、いい話）を通じて、話し手と聞き手との距離が急接
近できる。
相手のことを、質問する（表現）
　　中村平治氏は『敬語から丁寧表現へ』(1993)において（質問する行為について）
「（中略）日本人は不明でも話の腰を折るのは悪いと心配し控えます。この配慮深さ
から、自然、質問の回数が少なくなります」と指摘されている。
　（中略）日本人で通常、軽く「ご趣味は何ですか」と聞くことが多く、「なぜ好き
ですか」のような質問を控える傾向がある。
相手のことを気にする表現
　　「商売はうまくいってる？」「何かお困りのこと、ありませんか」のように、相
手のことをとても気にしている、心配している気持ちを示す表現である。
相手のことに非常に興味を持つ、期待する表現
　　「私はあなたのファンです」などは相手のことに非常に興味を持っていることを
示す表現である。
　　相手への期待を示す表現には「もうちょっとお話を伺いたいナ」「あなたの書い
た本を全部読んでみたいネ」「ご出版を楽しみにしております」「再会を楽しみにし
ております」「ご出席をお待ちしております」「お待ちしておりました」などがある
。
相手に協力、手伝いの姿勢を示す表現
　「私にできることがあれば、何でもいたしましょう」「あなたのためならいくら尽
くしても惜しむことはない」などは協力、手伝いの姿勢を示す表現である。
相手が自分にとって欠かせない存在であることを示す表現
　「あなたが来られるなら心丈夫です」「ご一緒にお仕事できれば、どんな難関も乗
り越えられるでしょう」などは相手が自分にとって不可欠、貴重な存在であることを
示す表現である。
同調表現
　　相手の話に傾聴し、「そうですか」「そうなんですか」「そうだったのですか」
と適切に相槌を打つのが相手への同調を示す。
相手を喜ばせる名称、呼称（表現）
　「社長！」「会長！」「部長！」のように、直接に名前を呼ぶより社会的に高い評
価のある肩書で呼ぶほうが相手を心地よくさせる。


2. Kanwa Hyougen 'Ungkapan yang menghaluskan/melembutkan penyampaian'

Ada 3 cara membentuk ungkapan hairyo hyougen untuk kelompok ini,
yaitu :
a. Hyougen keishiki ya yougo no henka

Merubah bentuk kalimat atau kata yang digunakan dalam ungkapan
b. Bamen teki tenka

Penambahan kata, partikel atau frase dalam ungkapan
c. Bamen teki shouryaku

Penghilangan unsur kalimat
3. Jueki Hyougen

Yaitu ungkapan yang menunjukkan atau seakan-akan menunjukkan ada jasa
atau
keuntungan yang didapat, apakah itu secara lansung atau tidak lansung.
Ada 2 cara membentuk ungkapan hairyo hyougen untuk kelompok ini, yaitu :
a. chokusetsu teki jueki : Menerima kebaikan secara lansung

b. Kitaikei jueki : Menerima kebaikan dengan pola bentuk harapan

4. Purasu kachi fuka hyougen : Ungkapan dengan menambahkan nilai plus'

Yang dimaksud dengan ungkapan ini yaitu, penggunaan ungkapan yg
berusaha menunjukkan citra baik kepada mitra tutur. Ada tiga kelompok besar
strategi ungkapan hairyo hyougen kelompok ini, yaitu : ungkapan yg
memberikan efek tenang, menunjukkan keakraban dan kenyamanan kepada mitra
tutur.
5. Kokochi Yoi Kibun Hyougen /Kibun o Yoku Saseru Hyougen

Seperti sudah dijelaskan di bab sebelumnya yang dimaksud dengan
ungkapan kokochi yoi kibun hyougen ini yaitu, ungkapan yang membuat nyaman,
senang perasaan mitra tutur, tidak menggangu kenyamanan mitra tutur atau
ungkapan yang bisa mencairkan perasaan tegang mitra tutur.
Ungkapan bentuk kokochi yoi hyougen ini merupakan suatu aktifitas
linguistik yang pada umumnya bertujuan untuk memperkecil jarak secara
phsikologis antara penutur dan mitra tutur yang secara lansung melakukan
tindakan dengan strategi memuji, mengucapkan selamat, menunjukkan rasa
simpati untuk menghargai keadaan, hal positif yang diterima juga suasana
hati mitra tutur.